
共有名義の家を売るときに最初に確認したいこと|持分・住宅ローン・売却の進め方
夫婦や親子、相続人など複数人で所有する家を売却するときは、査定価格だけでなく、登記上の所有者・持分、共有者の売却方針、住宅ローン残債と抵当権を最初に整理することが大切です。
共有名義だから売却できないわけではありません。一方で、不動産全体の売却と、自分の共有持分だけの処分は同じ手続きではありません。背景が離婚、相続、親族間の共有などの場合は、確認する法律・税務上の論点も変わります。
この記事では、共有名義の家の売却を検討するときに、不動産会社へ相談する前から整理できる確認事項を順番に解説します。
最初に確認したい3点
- 登記事項証明書で所有者と持分を確認する
- 共有者全員で家全体を売る方針を確認する
- 住宅ローン残債と抵当権の状況を確認する
情報確認日:2026年9月21日
1.登記上の所有者と持分を確認する
最初に確認するのは、「誰が」「どの割合で」所有しているかです。購入時の記憶や家族内の認識ではなく、登記事項証明書で現在の所有者、持分、抵当権などを確認します。
法務省は、不動産登記によって土地・建物の所在や所有者、抵当権などの権利関係が公示される仕組みを案内しています。住所変更や相続登記が未了の場合など、売却準備の前に追加手続きが必要になるケースもあります。
- 土地と建物の名義が同じか
- 所有者は何人か
- 各共有者の持分は何分の何か
- 抵当権などの登記があるか
2.家全体の売却と、自分の持分だけの処分を分けて考える
不動産全体を通常の売買として売却するには、原則として共有者全員の意思確認が必要です。自分の持分があるからといって、他の共有者の持分まで一人で売却できるわけではありません。
一方、自分の共有持分を処分することと、不動産全体を売却することは別の話です。民法上の共有関係や個別事情が関わるため、持分だけの処分を検討する場合は、不動産仲介だけで判断せず、必要に応じて弁護士や司法書士へ確認してください。
民法第251条では、共有物の変更について、原則として他の共有者の同意が必要とされています。所在不明共有者がいる場合などには裁判所の手続きに関する規定もあるため、特殊なケースは専門家への確認が必要です。
3.共有者間で売却方針をそろえる
査定を依頼する前でも、共有者間で次の点を話し合っておくと、その後の販売計画を整理しやすくなります。
- 不動産全体を売却する意向があるか
- いつまでに契約・引渡しを希望するか
- 居住中か、空室か、賃貸中か
- 売出し価格や条件を誰と相談して決めるか
- 契約・決済時に共有者全員が対応できるか
「売却には同意しているが、時期が合わない」「価格の考え方が違う」という状態もあります。仲介会社には、共有者ごとの希望を隠さず伝え、合意できる販売方針を整理することが重要です。
4.住宅ローン残債と抵当権を確認する
住宅ローンが残っている場合は、金融機関の残高証明書や返済予定表で残債を確認します。登記事項証明書では抵当権の名義や内容も確認します。
売却では、一般に引渡しまでに買主へ所有権を移転できる状態を整える必要があります。売却代金だけでローンを完済できるか、諸費用を含めると資金が不足しないかを、査定価格だけでなく想定成約価格と費用から確認します。
査定価格は成約価格を保証するものではありません。金融機関への確認時期や抵当権抹消の手続きも含め、売却スケジュールを組み立てます。
5.売却代金の分け方と税金は個別に確認する
国税庁は、共有のマイホームを売った場合の譲渡所得を、共有者の所有権持分に応じて計算すると案内しています。また、居住用財産の3,000万円特別控除を利用できるかどうかは、共有者ごとに判定されます。
ただし、実際の売却代金の受け取り方、住宅ローンの負担、購入時の資金負担、取得費、相続・離婚などの事情を、持分割合だけで機械的に判断してよいとは限りません。税務上の扱いは税理士、権利関係や合意内容は弁護士・司法書士などへ、必要に応じて確認してください。
6.共有になった背景で確認事項が変わる
夫婦・親子で購入した場合
持分、ローン契約、資金負担、現在の居住状況を確認します。離婚に伴う売却では、財産分与やローン負担について法律・税務の個別判断が必要になることがあります。
相続で共有になった場合
相続登記の完了状況、遺産分割の内容、共有者の所在と意思を確認します。相続人や権利関係が確定していない場合は、先に司法書士や弁護士へ相談する場面があります。
親族間で長期間共有している場合
現在の登記、利用状況、費用負担、共有者の連絡先を確認します。家族内の認識と登記内容が異なる可能性もあるため、資料を基準に整理します。
7.査定相談までにそろえたい資料
- 登記事項証明書または登記情報
- 固定資産税・都市計画税の納税通知書
- 住宅ローン残高証明書・返済予定表
- 購入時の売買契約書、重要事項説明書、領収書
- 相続や持分変更に関する書類
- マンションの場合は管理費・修繕積立金等の資料
すべてがそろっていなくても相談は可能です。手元にある資料と、分からない項目を整理しておくと、追加で確認すべきことが見えやすくなります。
まとめ|価格の前に、名義・合意・残債を確認
共有名義の家を売却するときは、①登記上の所有者と持分、②共有者全員の売却方針、③住宅ローン残債と抵当権を最初に確認します。
不動産全体の売却と持分だけの処分を混同せず、税務・法律の個別判断が必要な部分は専門家へ確認しながら進めることが大切です。FKホームは不動産売買仲介会社として、査定、販売方針、売却スケジュールの整理をお手伝いします。
出典・参考資料
e-Gov法令検索「民法」第251条(2026年9月21日確認)
//laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
法務省「不動産登記のABC」(2026年9月21日確認)
//www.moj.go.jp/MINJI/minji02
国税庁「No.3308 共有のマイホームを売ったとき」(令和8年4月1日現在法令等、2026年9月21日確認)
//www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3308.htm
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